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病と仕事の両立に向けて
2021/11/26 【就労】日記
病と仕事の両立に向けて
N.Yさん 生活支援員
●うつ病との闘い
Nさんは不動産関係の事務員として働いていましたが、長い間、悩まされて来た鬱病の病状が悪化。掛かりつけの専門医に相談し、退職を決意しました。
その後、在宅で治療に努めましたが、病状はなかなか良くなりませんでした。
在宅での治療も数年に及び、このままだと社会復帰も難しくなると判断したNさん。
3年前、就労移行支援の事業所に身を置きながら、復帰を目指そうと決意しました。
●支援員に支えられ
しかし、社会から長期間遠ざかっていたNさんが病を抱えながら、事業所に通うのは大きなハードルでした。
最初の頃は家から出るのも苦痛で、電車を一駅乗る事さえも出来ず、体調と相談しながら週に1、2度通うのが精いっぱいの毎日だったそうです。
そんなNさんを支えたのが、就労移行支援の支援員さんでした。
Nさんを気遣い、体調が悪い時は別の部屋で休ませてくれ、無理をしないよう励まし続けてくれました。
周囲の支援に支えられ1年半の間に苦痛も軽減し、毎日事業所に足が運べるようになったと言います。
●福祉の仕事を目指す
就労移行支援で少し自信がついたNさんは一般就労を決意。
これまでお世話になった就労支援への恩返しがしたいと福祉の仕事を選びました。
そして、就労継続支援A型事業所リアンの利用者を経て、
今年1月リアンの正社員としてようやく社会復帰を果たしました。
●同じ精神の障がいを抱える支援員として
リアンが休業中の今、Nさんの仕事は毎日2回電話で利用者さんの体調や在宅での訓練の進捗状況を聞き取る事や1カ月に1度行う定期面談などです。
障がいを抱える利用者さんに初めて接した時の感想を聞くと、「さほど戸惑いは無かった」と言います。
就労移行支援の時に利用者さんと接した経験と、
何よりも自分自身が同じ精神の障がいを抱える為、利用者さんの気持ちが良く分かるからだそうです。
●カミングアウトで思わぬ効果
ある程度利用者さんとの信頼関係が出来ると、Nさんは自身がうつ病である事を告白するようにしていると言います。
突然のNさんの告白に利用者さんは驚き、
Nさんが精神の病を抱えている事を隠そうともせず打ち明けてくれた事に
安心感を覚えたのか、
「(利用者さんは)自分の悩みや愚痴など何でも話してくれるようになりました」と思わぬ効果を明るく話してくれました。
●休業中の心配
寒くなるこれからの時期、Nさんは利用者さんの体調の維持に心を配るようにしていきたいと言います。
また休業が長引き、在宅での訓練が長期間に及ぶ中、利用者さんのメンタル面をどうキープしていくかが難しいと明かしてくれました。
体調の維持はNさんにとっても大きな問題で、
どうしても上がり下がりがある病気なので、薬を飲むなど上手くコントロールしていくよう努めていると言います。
●資格取得で新たな支援を目指す
「今後の目標は?」との問いにNさんは、障がいのある人が同じ悩みを抱える人を支えるピアサポーターや障がい者が職場に適応して働けるようにアドバイスするジョブコーチの資格を将来取得したいと抱負を語ってくれました。
今の仕事を続けながら、新たな目標に向けて勉強に励むというNさんの言葉は病を感じさせないほどしっかりとした口調でした。
文責 北村誠一 (広報担当)
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